FC2ブログ

ちいさなほのお



わたしはあと何年、生きられるかわからない。




白血と診断されてから半年がたった。





入院生活も半年になる。




検温ではじまる退屈な毎日。







でも、その日はいつもと少しちがった。



食堂で彼女に出会ったのだ。




彼女も白血で臍帯血の移植が決まって


その手術のために転院してきたのだそうだ。




わたしは同じ年頃の女の子と話すのは


ずいぶん、久しぶりだったので


何を話していいかわからなかった。



彼女はおとなしそうな人だったけど


わたしには積極的に話しかけてくれた。




入院してどれくらいたつの?とか


学校はどこ?だとか


彼女はいるの?とか。


「彼女なんていないよ。こんな気だもん。」



気だからって恋愛あきらめることないじゃん。」


と言った彼女の言葉にわたしはハッとした。



わたしはどんどん彼女と仲良くなっていった。


それから一週間。



彼女は検査の結果が良くなかったと言っていた。


顔色もあまりよくない。



「移植、できなくなった。


 検査の結果が良くないから。」



そう言った彼女の顔からは


いつもの笑顔が消えていた。




その次の日から彼女は食堂に来なくなった。


他の患者さんの話では


高熱が出て、容態が悪いらしい。



わたしは初めて自分の気のこと以外で


神様に祈った。




神様。お願いです……。


彼女を助けて!




神様に祈りの声が届かなかったのか


彼女は間もなく亡くなった。





彼女の両親から手紙をわたされた。


震えた文字で



”キミはボクの分まで生きて。


 会ってから少ししかたってないけど


 好きでした。”



と折り鶴が一匹そえてあった。



入院生活で人が亡くなることになれてはいたものの、


今回ばかりはが止まらなかった。



笑顔の彼女は、今でも私のこころのなかで


生きていた。




わたしもいつまで生きていられるかわからないけど。





わたしのいのちのちいさな炎は

あとどれくらい燃えていられるのか。


炎が消えてしまっても。



わたしが死んだ後も


彼女のように、誰かのこころのなかで


生きていくことができたなら


それは幸せなことなんじゃないかと思った。







彼女とあの世で再会したら

いったいどんな笑顔をするのかな………。






SCANDAL

「ちいさなほのお」



聴いてみて。
スポンサーサイト



カテゴリ

絵画作品

全記事表示リンク

絵画作品人気投票

ブログ人気記事

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
日記
4874位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
2014位
アクセスランキングを見る>>

訪問者数


現在の閲覧者数:

検索フォーム

ブログ記事内で使われている言葉を検索できます。 ”著作権”で検索すると絵画作品の載っているページが検索結果として表示されます。 ”絵”や”絵画”で検索するとそれ以外の絵の載っていないページがたくさん表示されて不便です。

最新記事

いま、入院しています。 Jul 15, 2021
幸せの…… Nov 11, 2020
描いた。 Nov 11, 2020
ドラえもんと話したことある人いる? Nov 03, 2020
ボクとマッサージ嬢。 Oct 27, 2020

月別アーカイブ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード