FC2ブログ

美しい人


モデルの女性を見つめ、

筆を持つ手が震える。



キョウジはが描けなくなった。



…………………………


…………………………


…………………………。




彼は世界で最も美しい女性を描いた。と


今年、一番の話題だった。



彼の恋人を描いたものだと


もっぱらのうわさだった。




その女性のシルエット、髪、指、瞳、唇。


どれをとっても、完璧でいて、

完璧とは程遠い。



そして、その肌にふれたものは

歓喜に打ち震えるのだった。




彼女は一流のモデルだった。



彼女の行く先々では


笑顔の花が咲き乱れるのだった。


その女性の描かれた画作品は

全部で7枚だった。







その日、キョウジはサチコを迎えにいった。



久しぶりの再会に星空も


二人を祝福するのだった。




高速を飛ばすキョウジの横で


サチコは、うつらうつらしていた。



日頃のハードスケジュールが、たたったのだろう。



キョウジはサチコに話しかけた。


「なあ、サチコ………。」


しかし、すでにサチコは眠りに落ちていた。


「なんだ、寝てるのか。」



キョウジは思わずサチコの寝顔に見とれた。



だが、その一瞬が致命的な結果を引き起こした。




前方で、渋滞が起きていて


停まっていたクルマの後方に


キョウジのクルマが突っ込んでしまったのだった。




かろうじて、ハンドルを切ったキョウジは


無傷ですんだ。


だが、助手席のサチコは

その事故で両足を失った。









車イスのサチコは、以前と同じように

笑った。




そして、以前と同じように

自分を描いて欲しいと

サチコはキョウジに頼むのだった。






車イスのサチコを前にしてキャンバスに

向かったキョウジの

筆を持つ手が震えた。



キョウジに、今のサチコは

描けなかった。



「ダメだ!俺には描けない!」




そう嘆く、キョウジにサチコは

微笑んでこう告げた。






「目の前にある

 キャンバスに何も描かなくてもいい。

 それも芸術だよ。」




「サチコ…………。」



キョウジはその言葉にを流すのだった。







キョウジが車イスのサチコを

以前と同じように愛していたのは

確かだった。







あいみょん
「今日の芸術」

カテゴリ

ブロマガ

紹介文:

ブロマガ記事一覧

購入したコンテンツは、期限なしに閲覧いただけます。

一部有料で閲覧できる ページを つくりました。 有料でみられる 絵画作品と 他に小説の短編です。 引き続き 無料で見られる ページも たくさんあります。

絵画作品

全記事表示リンク

絵画作品人気投票

ブログ人気記事

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
日記
8874位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
3357位
アクセスランキングを見る>>

訪問者数


現在の閲覧者数:

検索フォーム

ブログ記事内で使われている言葉を検索できます。 ”著作権”で検索すると絵画作品の載っているページが検索結果として表示されます。 ”絵”や”絵画”で検索するとそれ以外の絵の載っていないページがたくさん表示されて不便です。

最新記事

GOD Nov 15, 2019
ぼくとみーこのプレステ生活 Part4 Nov 15, 2019
目標を掲げること Oct 27, 2019
彼女の瞳をボクは知らない Part2 Oct 26, 2019
今日は第三日曜日です。 Oct 20, 2019

月別アーカイブ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード