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カズ君とタカ君、あいだにユキ坊

ボクは、ものごころついた時からずっと




カズ君とタカ君という、一年、歳上の二人組みの




近所に住む少年たちについてまわっていた。







カズ君がリーダーで、タカ君は、その相棒。




ボクは、弟分みたいなものだった。






カズ君は、けいどろが大好きで、





毎日といっていいほど、けいどろで遊んでいた。






けいどろというのは、警察と泥棒にわかれて、





追いかけっこをする、チーム鬼ごっこのような遊びだった。






カズ君とタカ君は、年上なので、当然、足が速い。





ボクは必死に逃げた。おかげで、足が速くなった。








カズ君は何でも知っていた。






夏休みにはいると、近くの川で、ザリガニを捕った。






ザリガニはハサミがあるから、背中を押さえて




捕まえるんだぞ。とカズ君は教えてくれた。






近くの林では、クワガタむしを捕まえた。





なぜか、ウチの近所には、カブトむしはいなくて、






クワガタむしが捕れた。





カズ君とタカ君は、クワガタむしを虫かごで




飼っていて、自慢げに見せてくれた。






カズ君の家に行ったとき、ボクは初めて、





ファミコンというものをさわった。







それは、まだ、スーパーマリオが大ブームになる前で、





スーパーならぬ、旧作のマリオブラザーズで遊んだ。





カズ君が”殺し合い”と呼んでいたゲームのルールは、





二人プレイで、相手にぶつかって、敵キャラのほうへ




吹き飛ばし、ミスさせるというもので、





初めてテレビゲームにふれたボクのルイージは、




体当たりを食らって、カメにぶつかり、





何度もゲームオーバーになった。







その日は、家に帰ると、すぐに父にファミコン




ねだったが、子どものおもちゃにしては高すぎる、




というので、買ってもらえなかった。






カズ君は、悪い遊びも知っていた。





ゴミ捨て場にボクたちをつれて来て、





ライターを取り出し、今から、火遊びをするぞ、と





燃えそうなゴミをゴミ山から分けた。





カズ君が、火をつけて、ゴミは燃え出した。




もっと、燃えるものをもってこい。というので、





ボクは、捨ててあった布団を持っていった。




カズ君は、バカっ、そんなもん、燃えすぎるだろ!




といって、ビビッていたが、そのうちに、




布団も燃やしてしまえ!となった。






布団のワタはいきおい良く燃えた。





あまりにけむりが出たので、近所の大人が出てきて、





コラっ!何やっとるっ!と怒られた。




はよ、火を消せっ!といわれて、近くの水たまりから




水をくんで、あわてて火を消した。





おじさんに、こっぴどくしかられて、





ボクたちは二度と火遊びはしなかった。







夏休みの何日間か、小学校のプール開放というのがあって、






プールをつかわせてもらえた。





カズ君とタカ君は、ボクの背後から、突然おそってきて、




プールのなかで、バックドロップをしかけてきた。





突然、天と地がさかさまになり、しかも、水の中で




息もできなくなり、ボクは、むちゃくちゃ怖かった。






しかも、何回も、ふたりは背後から、忍び寄ってきて、




また、バックドロップを仕掛けてくるのだった。







ある日、川でフナを捕るぞと、いつもより





川の深い場所に行ったとき。







ボクは、岸から転落してしまい、カズ君があわてて、





川に飛び込み、助けてくれた。






ボクは、その時、とても感謝した。








そんな、いつまでも続くと思っていた





カズ君とタカ君との毎日は、突然終わった。

















カズ君の一家が引っ越すことになったのだ。






タカ君とボクは、小遣い銭を出し合って、




タカ君の選んだ目覚まし時計を餞別に贈った。









カズ君を乗せたトラックは、あっというまに見えなくなって、





ボクとタカ君は、だまって見ているだけだった。







カズ君がいなくなってから、ボクとタカ君は、




あまり遊ばなくなり、そのうちに学年が大きくなっていった。









カズ君は、ボクのことをユキ坊、ユキ坊と呼んでいた。








ユキヒロのユキとカズユキのユキとタカユキのユキで








ユキ坊なのだった。

カズ君の誕生日

その日は何日だったか、今はもう忘れてしまった。




カズ君の誕生日を祝う会が、カズ君の家で開かれた。




ボクは、まだ幼かった。



初めて、誕生日会というものに呼ばれた。




何をするのか、まったくはじめてのことなので



見当もつかなかった。




ただ、プレゼントだけは、一応、用意した。





まず、カズ君のお母さんが、カレーライスを




運んできてくれて、みんなで仲良く食べた。



子供向けの甘いカレーかと思ったら、



カズ君ちは、大人のジャワカレーなのだった。




初めてのジャワカレーで、ボクはテンションがあがったのだった。




みんながカレーを食べ終えると、



今度は、いよいよ、バースデーケーキが運ばれてきた。




カズ君のお母さんの手作りケーキだった。



既製品のスポンジケーキにチョコレートと、



生クリームで飾り付けをして、イチゴがのっていた。



そこにキャンドルをたてて火をつけると



明かりを消して、カズ君が火を吹き消した。




みんなは、いっせいに拍手した。



ボクは何がおこっているのかわからず、


一瞬遅れたが、拍手するものだと気づき、



あわてて拍手した。




カズ君がケーキを切り分けてくれて、みんなで食べた。




ケーキを食べながら、みんなの持ってきた



誕生日プレゼントをカズ君が、開けていった。




ノートと鉛筆と消しゴム、チョロQ、スライム、


そしてボクのえらんだプラモデル。



カズ君はうれしそうだった。



みんながケーキを食べ終わると、



会はお開きになった。



ボクは初めての誕生日会に感激した。



みんなを送り出すカズ君は、



庭にいた飼い犬の首を激しくなでて可愛がった。







クリスマスイブに、そんなことを思い出した。



カズ君ちの犬の名前は ”LOVE”  だった。



メリークリスマス!

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