FC2ブログ

ロボットの見ていた夢 ver.2.0

私は待っていた。




いつかその日が来ることを……。







その日、私はいつものように


研究所でデータの入力作業におわれていた。


研究所内では、私が一番速くデータ入力ができた。



ふと、作業の合間に顔をあげると、彼女は私を見つめていた。



「ん?どうかしましたか?

 わたしの顔に何かついてますか?」


「よく、そんなに速くデータが入力できるなって思って。」



「ああ、そうですか。あなたも私のやりかたなら、

 もっと速く入力できますよ。」


「そうかしら。じゃあ、教えていただけますか。」


「ええ。いいですよ。」



……………………。






私たちは、それがきっかけで


少しずつ、会話が増えていったのだった。


そして、ある日のこと。



私が出所すると、彼女は研究室の床に倒れていた。



私は、彼女の意識がないことを確認した。


そこで、私は彼女の体にふれてみた。



すると、彼女はしばらくして意識をとりもどした。



「ああ。あなたが助けてくれたのですね。

 昨夜、作業をしていたら突然動けなくなって…」



「あまり、無理をしてはいけないよ。

 これからは、かならず二人で作業しよう。」


「ありがとう。」

彼女はそういって微笑んだ。

私はその笑顔を忘れない。


私は、その表情を見た時、とてもうれしくなったのだ。

はじめての感情だった。

どうしてこんな感情になったのだろう。



その小さな感情は、しだいに

私の頭のなかの大半を占めるまでになってしまった。


彼女とは、まともに話すこともできなくなっていた。



私は、博士に相談した。


「それは、恋だな。」

博士は、そう言って

私の頭の中の感情を整理してくれた。



博士は、私の様子を見て

「まさか、君が恋をするとは。」

と少し、驚いていたようだった。


「彼女のほうの様子も私が見ておく。」

と、博士は私を助けてくれた。



博士が、私の頭の中を整理してくれたおかげで

私は、彼女と普通に話すことができた。




博士の息子さんが研究に加わって

私たちの研究はどんどん進んだ。


やがて、私たちだけでは手が足りなくなってきた。


博士はある日突然こう言った。


「君たちの子供を研究室に加えようと思う。」


私と、彼女は驚いた。


「私たちの、子供ですか?!」


「名前は、もちろん君たちで考えるのじゃぞ。」

博士は微笑んだ。


私と、彼女の子供!!

私は彼女と子供を持つことを博士に

すすめられたのが、とてもうれしかった。



「その前に、結婚式をしなければ。」

と博士が言った。


まさか、私が彼女と結婚することになるなんて

誰も想像できなかっただろう。


研究室の身内で、ささやかな結婚式が行われ、






私と彼女は結ばれた。

………………………。



















そして、博士の手によって

私と、彼女のデータがひとつに統合され

新型の次世代ロボットの人工知能AIのコンピュータに移植された。

次世代ロボットは研究所に所属となった。




やがて、研究所の古株となった私たちは

私たちの子供と一緒に今、まさに研究にいそしんでいる。




END






作者 あとがき     石川 五㊨衛門

前作を読んだ人とver.2.0を先に読んだ人とで

お話の結末のとらえ方が少し違うという、こんなのどうでしょう。

それと、この話の時代がいつごろなのかのとらえ方によっても

意味合いが変わってきます。

前作の前の時代なのか、前作と同じ時代なのか。

主人公と彼女は、そしてその子供は、果たして

人間なのか、ロボットなのか?意見がわかれるでしょう。

二人の子供の名前、お話の中に隠れています。


わからない人は、友達にきいてみよう。(笑)





ロボットの見ていた夢

私は博士の助手として色々な知識を


コンパクトな記憶装置に記録している。




人の表情は様々なパターンをとることがあるが、


そのなかでも笑顔には何か特別な意味があると


私は推測する。



人間の感情というものは喜・怒・哀・楽の4つに


大きく分けられるが、博士はいつも楽の分類に


入っている。



私はあらゆる分野の専門的な知識を擁しているが、


博士はそこから更に新しい知識を開拓していくのが


得意な人である。



博士とは若い頃からの付き合いであるが、


私は博士より若く、いろいろと教えられる


ことばかりだ。



まだ、博士が若かった頃、よく研究室に若い女性を


連れて来たが、彼女は後に博士の妻となった。




私も博士のように結婚してみたいと考え、


博士に打ち明けてみたことがあった。


博士は一言、「わかった。」と言って、それから


しばらくして新しい助手を連れて来た。



「彼女が君の恋人候補だ。


 君と一緒に私の助手をしてもらう。


 仲良くしてくれ給え。」


と、新しい助手を紹介した。



私は彼女を恋人のようには思わなかったが、


仲良くしているうちに、少しずつ親しくなっていった。



博士が、


「君達、まるで本物の恋人のようだな。」


と言った時、私は少し”照れる”ということが


わかったような気がした。





博士に子供が生まれた。



その頃から、私たちは海洋研究の分野を深く


学んでいくこととなった。



深い海の底には希少な金属が埋もれていることが


わかっていた。


博士は、その希少金属に興味があるようだった。




そのうち、博士の息子も研究に携わることとなり、


博士の助手は一人増えた。





その日、博士の息子が現地調査チームに同行する


こととなり、深海調査艇で深海へと向かった。







しかし、調査チームが深海の調査中に


海底が爆発するという事故が起き、


調査艇の浮上装置が故障してしまった。






酸素の残りは後8時間弱。


調査チームを救出できる能力のある潜水艇は存在しない。








絶望的な状況の中、私は決断した。


「私が助けに行きます。」



博士は最初、びっくりしたようだったが、


「お前になら出来るかもしれない。」


と言って、救出作戦が開始された。






8時間後、




地上で喜びに沸く調査チームの面々とその家族の


笑顔を、私はしっかり記録した。




喜ぶ博士に私は長年の疑問をぶつけてみた。



「博士、人の笑顔にはどんな意味があるのですか?」



「人は素晴らしい出来事があると笑顔になるのだ。


 それは、記念すべき瞬間なんだ。」


という博士の言葉に私は納得した。





「博士、私の記録装置の中に10000パターン以上の


 博士と、その関係者の笑顔が保存されているのですが、


 それを映像装置に映し出してみませんか?」



博士は静かに答えた。



「いや、それは老後の楽しみにとっておくことにするよ。


 君はもっと、笑顔を集めてくれ給え。」






そして私は、笑顔を集めるために人を喜ばせる



ロボットだという評判を呼ぶようになっていった。






エンディングイメージソング



大塚愛 アルバム 「LOVE JAM」より



      「Happy Days」


















博士の見ることの出来た笑顔は全20323パターン。





博士がいなくなってしまった後も、



私は博士の言葉に従がい、笑顔を記録し続けている。





               THE END












作者あとがき




なぜだか、突発的に思いついてしまったので


UPしてみました。


この話を書くのに1時間もかからなかったかな。



これに合う曲は「Happy Days」かと思うのですが、



この話を読んだ後に、「扇子」を聴くと、なんか



泣けます。



この話じゃなくて「扇子」が泣けるのか?



最近のカメラで笑顔の瞬間にシャッターが自動できれる機能が


あるものがあるところからこの話を思いつきました。



この話のロボットは、その技術をつかって笑顔を記録している


という設定です。



誰か、この助手ロボットにあういい名前を考えてみてよ。



以上。いしかわ ゆきひろでした。

カテゴリ

ブロマガ

紹介文:

ブロマガ記事一覧

購入したコンテンツは、期限なしに閲覧いただけます。

一部有料で閲覧できる ページを つくりました。 有料でみられる 絵画作品と 他に小説の短編です。 引き続き 無料で見られる ページも たくさんあります。

絵画作品

全記事表示リンク

絵画作品人気投票

ブログ人気記事

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
日記
8874位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
その他
3357位
アクセスランキングを見る>>

訪問者数


現在の閲覧者数:

検索フォーム

ブログ記事内で使われている言葉を検索できます。 ”著作権”で検索すると絵画作品の載っているページが検索結果として表示されます。 ”絵”や”絵画”で検索するとそれ以外の絵の載っていないページがたくさん表示されて不便です。

最新記事

GOD Nov 15, 2019
ぼくとみーこのプレステ生活 Part4 Nov 15, 2019
目標を掲げること Oct 27, 2019
彼女の瞳をボクは知らない Part2 Oct 26, 2019
今日は第三日曜日です。 Oct 20, 2019

月別アーカイブ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード