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The Moon Lights met the LoVers.             「竹取恋愛物語Next Ver.2」

アタシは雨がキライだ。







アタシの好きなお月様が見えなくなるから。























The Moon Lights met the LoVers.

「竹取恋愛物語Next」


               作:いしかわ ゆきひろ





2011年6月も半ばを過ぎようとしていた。




午前中から、雨がキャンパスを濡らしていた。







キャンパスのすみでアジサイが青と淡桃で咲いていた。







月へ行くと誓った、あの夏の夜から2年が過ぎようとしている。






アタシたちは大学生になっていた。








タケルもタクヤもコトミも同じ大学だけど、



コトミだけは1年遅れて、今、一年生だ。







アタシは、バイトで貯めたお金で、





自動車学校へ通っていた。






一足、先に免許をとったタケルが、



車校まで、送り迎えをしてくれる。








アタシはタケルに張り合って、マニュアル免許を




取ろうと、がんばっていた。









「半クラッチが、なかなかできないんだよ。最初は。」




なんてタケルが言っている。






雨の中、ワイパーが左右にゆれる。






「なんか、かけてよ。」






「そこ、押してみ。」






「どこ?」




「そこ。」








ボタンを押すと、カーステレオがかかった。





アップテンポなギターにキーボードが響く。







「これ、誰の曲?」






「いいだろ、これ。





 姉ちゃんのCD、HDDに入れたんだ。







 エヴリ・リトル・シング。」







「エヴリ・リトル・シングかぁ。





 そういえば、最近、TV出ないね。」








「ウーバーワールドと、かぶってるからじゃね?」






「えー!全然、かぶってないよぉ!(笑)」






「テイスト似てるじゃん。」







「どこが。」




 
雨の中、エヴリ・リトル・シングをBGMに、




二人、会話が弾んだ。







「ほい、着いた。」





自動車学校の前でクルマが止まった。




「ありがと。」




アタシはクルマから降りると、カサをさして、




「今日、6時までだから。」




「わかった。迎えに来る。」




と、タケルが言ったあと、クルマのドアを閉めた。








高校のころから比べると、タケルとは、ずいぶん親しくなっていた。






男の人のなかでは、一番、親しい友達だ。







でも、アタシは…………









あの2年前の夜、




月へ行くと言ったこと。みんなは覚えてるのかしら?








なんだか、遠い昔のことのように感じる。








あれから、かぐやさんとは、メルともで、





いろいろ、相談にのってもらったりしている。








”アンタ、オトコを見る目がないねぇ”





なんてメールが来たこともあったっけ。








半クラッチは、やっぱり、はじめは、うまくいかなかった。





教習時間の、ほとんどを使って、練習したけど、




次回に、もちこしとなった。






オートマ限定免許にしとけば、よかったかなぁ。







少し、後悔しながら、車校前で待っていたタケルのクルマに乗り込む。








雨はあがっていた。







タケルのクルマの後部座席には、タクヤとコトミが乗っていた。





「警察署前のお好み焼き屋行こうぜ。



 その後、カラオケな。」








「えー、今月、お財布ピンチなのに。」








「じゃあ、お好み焼きは、おごってやるよ。





 カラオケは2時間1000円だから一人250円な。
 




  250円なら出せるだろ?」




と、タケルが笑った。






「おごってくれるの?お好み焼き。」







「いいよ。」





「ありがと。」








おごってくれるなんて、はじめてだ。





どういう風の吹き回し?(笑)










お好み焼き屋は、テーブルが大きな鉄板になってて、




自分で焼けるスタイルだった。






お化粧くずれないか、心配だわ。









お好み焼きが焼けてくると、タクヤが一番に裏返した。






「よっ、と。




 うまくいった。」







「うわぁ、上手ぅ。」






アタシもこてを使って、ひっくり返した。





思い切りよく裏返したら、うまくいった。






あんなに、たくさんあったキャベツが、



焼けて、しんなりと小さくなった。








「う~ん。デリシャス。小麦とイカとキャベツの宝石箱やぁ。」




と、タクヤ。








なぜ、いまどき彦磨呂。















と、脳内でつっこみつつ、お好みをほお張る。







あまからいソースがおいしい。






ウーロン茶で口直しをすると、






すぐにもう一口欲しくなった。







おなか、いっぱいだよ。











約束通り、食事代はタケルが出してくれた。






「ごちそうさま。」





「おう。」






店を出ると、雲の切れ間から、月が光を投げかけている。





「カラオケだぁ。カラオケだぁ。」



コトミが言った。








4人でカラオケ行く時は、いつも2時間で切り上げる。





物足りないけど、タケルもタクヤも、




2時間がベスト。といつも言う。






いつも、といえば、タケルはいつも、




ポルノのアポロを歌う。




しかもヘタだ。




アタシも負けずに、ポルノのアゲハ蝶を歌うのが、




暗黙の了解というやつになっている。






もちろん、アタシはヘタじゃない。





と、思っているのアタシだけ?だったりして。







タケルの歌みたいに、アタシたち、月へ行く日が来るのかなぁ?





みんなといるのに、なんだか、ふいに、さみしくなった。







なんか、Every Little Thing (全て、小さな出来事)だと思った。







よぉしっ!月まで行っちゃる!









おっと、その前に、マニュアル免許とらなきゃ、だ。











アタシは青春、真っ只中だ。












おしまい。






エンディング・テーマ



大塚愛 Love Punch より


「Always Together」











作者 あとがき



いかがでしたでしょうか、竹取恋愛物語Next Ver.2



あまり、ラブ・ストーリーっぽくない仕上がりに



なってしまいましたが、なかなか気に入ってます。





女性視点に挑戦してみたのですが、どうでしょう?





おとなしそうな女の子が、実は、すごいこと考えてる。



という、俺の勝手なモウソウです。



エンディング・テーマに選んだ、大塚愛さんの Always Together 。



かなりの名曲だと思います。機会があったら、ぜひ聴いてみてください。





余談ですが、俺、小、中学校で陸上部でした。

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