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流刑地ひとものがたり

  惑星エデン





  彼女と出会ったのはこの星の真ん中。



  






  僕は、この星の皇子。




  最初の記憶は白、黒、血の赤。そして、の青。




  神は罪を犯した僕になぜか最高の地位を与えた。




  僕は日々戦いの中で生きている。





  この星の長い長い歴史の中で僕は常に男であり続けた。




  


  






  最初の男はアダムと呼ばれる人であった。




  その次の人は女という者にしたかったと神はおっしゃられた。



  しかし、神の手によって創られた女は人のかたちをなさなかった。



  その人であって人でないもの、それは


  イヴという、をなすモノであった。







  人は何故、を求めるのか。人は何故、戦うのか。





  アダムよ、イヴと子をなせ!


  この地を楽園につくりかえよ。






  人の姿をもたぬイヴ……………




  彼女の想いがきこえる。




  アダム………、この星のモノを従がえ




  私のカラダを成してくれませんか………。




  イヴというモノよ。おまえは不思議な声をしているな。



  アダム。あなたは心とカラダ、



  そして勇気と知恵というものを持っているようです。



  あなたの発するココロが声となります。



  わたしのカラダ……………あなたにふれてみたい………


  



  と、土がかたまり、アダムに似た形になりました。



  アダムは土にふれました。


  わたしのカラダをととのえてくださいませんか。



  アダムは土のカラダにやさしくふれ、


  
  素敵なかたちをつくりあげました。



  すこし、あなたとちがうところが、わたしらしい、


  
  女らしいということですね。



  

  わたしのカラダはからからの土です。


  このままでは、すぐに崩れてしまいます。



  アダムは神に問うた。


  イヴに命をあたえるにはどうすればいいのだろうか?


  

  この星に住む4人の悪魔と契約をせよ。




  土、水、火、風の4大悪魔を従がえよ。





  イヴのなかに悪魔がいる。土の悪魔であった。



  アダムよ、この素敵なカタチとひきかえに、イヴに命をあたえてやろうか?



  悪魔よ。人はカタチをなさねばならぬ!


  イヴのカタチとひきかえではダメだ!





  では、お前のその素晴らしい声とひきかえだ!


  そうすればイヴに命をあたえよう!




  よいだろう。声をやる。イヴを生かせ。わたしに従がえ!




  イヴの土のカラダに命が芽生え、かたちが崩れなくなりました。



  
  アダムよ、土のカラダが冷たくて冷たくてパサパサで、心もさむいです。



  水と火のチカラをワタシに宿してくださいませんか。


イヴのなかの悪魔は言った。


  水というものを見てみたいものだ。


  さわってみたらどんな感じなのだろう。




  土ばかりの大地に立ってアダムは感じた。

  イヴの息づかいを。


  おお、イヴ!命があるのだな。



  ああ、アダム!あなたの声がきこえない。

  あなたは どこにいるの?


  ここにいるではないか、君のすぐそばに。



  君というのは何?
   

  イヴのことだ。

  
  アダムは私のことが感じられるの?


  私は君が見えるし、ふれることもできる。


  アダムはイヴの手をそっと握りました。


  私が感じられるか?イヴよ。


  わからない。わたし、あなたがわからない。  


  お前の瞳は私を映してはいるが、お前には私が見えていないのか。


  イヴのなかに宿る悪魔よ。イヴの目を見えるようにしろ。


  イヴの瞳に光を宿せ!


  悪魔は言った。


  それは私にはできません。



  アダムは考えました。




  アダムは土を掘ることを思いつきました。


  何の役に立つかはわからぬが、とにかくやってみよう。


  アダムは土を掘り返しました。


  

  イヴはアダムが何かに没頭しているのを感じてききました。


  アダム。何をしているの?


  土を掘るということを思いついた。イヴも手伝ってくれ。




  二人は夢中で掘りました。



  
  すると土の中からなにかカタチの定まらないものが現れました。



  この不思議なものは何だ?


  アダムの問いにイヴは答えました。



  水というものじゃないかしら。


  イヴは水を手に取り口にふくみました。


  アダムはそれを見て真似をしてみました。


  そのあまりのすがすがしさに



  アダムの瞳からも同じようなものがあふれ出ました。


  水のなかの悪魔が言いました。


  
  それはというものだ。  




  アダムとイヴよ。お前達のと引き換えに水というものに


  お前達を癒すチカラをあたえてやろう。




  水を飲めば元気が湧き出し、カラダを水で清めれば病を防げるであろう。


  と、水の悪魔は言います。



  アダムはを悪魔にとられたくありませんでした。



  そこでアダムは言いました。



  これからも私たちを喜ばせてくれることがあるたびに


  私たちはお前達のためにを流すだろう。



  それをきいた悪魔は


  では、お前達が悲しんだ時にもを私たちのために


  流させることにしてやろう。



  と、契約を交わしました。



  この時のアダムとイヴはまだ悲しむということがわかりませんでした。








  この星で、はじめての朝日が顔を出しました。




  大地からあふれ出した水が土を洗うたびに水面が


  キラキラと光り輝きました。


  その光景にイヴが初めてを流しました。





  イヴよ。お前、目が見えるのだな?




  ああ、アダム、あなたの姿が見えるわ。



  アダムは嬉しさの涙か悲しみの涙かをイヴにききました。


  その両方だと思うわ。とイヴは笑いました。




  イヴの笑顔を見たアダムはとても驚きました。


  そしてアダムにも喜びが満ちました。



  エデンに陽が上ると地上はだんだん暖かくなりました。



  そして植物の緑が少しずつ芽生えたのでした。


  やがてその緑のなかのひとつがきれいな色をつけました。



  イヴはそれを見て笑い、喜んでそれをアダムの顔に近づけて



  これは  はな  だと思うわ。


  と、言いました。



  たしかに はな だ。

  アダムはそこで初めて笑いました。





  アダムは太陽の暖かさをとても好きになりました。



  イヴの冷たい体も、もっと温かければ良いと思いました。




  そこで、イヴは言いました。


  私たちのカラダを暖めてくれる火をつくってください。



  アダムは火がどのようなものかよくわかりませんでした。



  当然、つくりかたもわかりませんでした。



  アダムは天に問いかけました。



  神よ。イヴのいう火というものは



  どうすればつくることができるのですか?



  すると天がみるみる曇り、雷がどどーん!と草むらに落ちました。



  草は炎をあげて燃えました。



  これが火というものか。



  近よるととても熱い。


  火は危険なものだな。



  アダムは木の枝を手ごろな大きさに折り


  火に近づけてその枝に火を移しました。


  そうしてイヴのもとへ火を持っていくことができました。



  その日の夜は陽が落ちてからも明るく、暖かくすごせました。



  火の悪魔はあたたかく語りかけてきました。


  お前達の持つ心を私にくれ。



  アダムは悪魔にききました。



  かわりに何をくれるのだ?


  火の悪魔は言いました。


  私自身が役に立つ。


  いろいろなものを焼いてみろ。


  アダムは言いました。


  では、心を半分だけお前にやろう。





  心を半分、失ったアダムとイヴは眠ることで


  失った心のかわりとしました。





  神の与えてくれた火というものはアダムとイヴのくらしに


  とても役にたつものでした。




  そのままでは食べられない草木も



  焼くことで食べられるようになりました。



  アダムはイヴをかたちづくったように土と水でいろいろな


  かたちをつくり、火で焼くことによって様々なものをつくりだしました。



  焼きものには、人や草木や動物のかたちをしたものもあれば


  食器などの土器のたぐいの実用的なかたちをしたものもありました。




  雷から得た火はある時、


  うっかり木をくべるのをわすれて消えてしまいましたが



  アダムが石と石をこすって火花を散らし、


  燃えやすい おがくずから火がおこせました。


  
   




  その日はが曇っていました。



  草木がさわがしいです。


  動物達も落ち着きがない様子でした。



  アダムとイヴが一番気に入っていた大きな木に


  白っぽい薄紅色の花がひとつ咲きました。




  その花はふたつ、みっつと日ごとに数を増していき


  二日後には木全体をおおいつくすほど咲きみだれました。







  次の日、この星に初めて風が吹いたのです。






  白い花ビラは一枚一枚散り乱れ舞い落ちていきました。




  その光景を見てイヴは涙を流していました。







  そこへ一匹の蛇が木の枝をつたいおりてきました。




  イヴよ。


  この木にやがて双子の実が結ばれるであろう。



  それをお前達でひとつずつ分け合って食べよ。



  そうすれば二人を結ぶものが生まれることになるであろう。





  イヴは蛇に問いかけました。


  あなたはどうして言葉が話せるの?



  言葉は私とあの人だけのものなのに。



  蛇は答えました。




  そんなことはとるに足らないことだ。




  それよりもアダムのことが好きならば


  私の言ったことを忘れるのではないぞ。






  そう言って蛇は去って行きました。




  やがてエデンに夏がおとずれました。


  いつにも増して水が役にたちました。



  夏には天から水がたくさん落ちてくることがありました。



  イヴはその水に雨という名前をつけて喜んでいました。



  アダムは雨が降ると少し心さみしくなりました。





  やがて厳しい暑さがやわらいできました。




  イヴは


  秋が来たわ。




  と言って、とても喜びました。




  薄紅色の花を咲かせた大木に実がなりました。




  ふたつひと組で結ばれた実のかたちを見てイヴは微笑みました。




  アダム。この実を私と分け合って食べましょう。



  イヴは実を手にとり、アダムにひとつわたしました。



  アダムとイヴは甘ずっぱい実を食べました。


  その時、アダムとイヴは実の中心にあったタネを飲み込んでしまいました。




  二人は不思議な気持ちになり


  お互いの姿を見つめあいました。


  アダムとイヴのカラダに異変が現れ、二人は抱き合ったのでした。



  アダムのカラダの中の小さな命が

  イヴのカラダの中の丈夫な命と一つになりました。



  アダムとイヴに実を食べることを教えた蛇は


  風とともに現れた悪魔でした。



  風の悪魔はさみしい心と引き換えにアダムとイヴに


  カラダを交えるキモチ…………




  恋をさせたのでした。








  ふたりは





  しあわせ………でした。




                




   THE END





  エンディングイメージソング


  大塚 LOVE LETTER より



     「人形」  







  やがて二人の子供が生まれるでしょう。


  神はイヴを上手につくることができませんでした。


  イヴを人間らしくするために悪魔に手伝ってもらったアダム。



  そのためにアダムとイヴの子供らには争う気持ちがうまれ、


  人は争い戦ういきものとなりました。


  しかし、イヴがはじめからもっていたというもの。

  それは、子供らに受け継がれました。


  そして、それが人々を平和に導くものであることにアダムとイヴの


  子供たちはいつか気付くでしょう。気付いてください。 




  イヴがもっていたというもの。



  イヴは自分を大切にしてくれたアダムへ、そのをあたえました。





  何もなかった星、エデンはやがて



  アダムとイヴの子供らであふれることになるでしょう。




  人間はどこからきてどこへかえるのか。



  アダムとイヴはどこへ行ってしまったのでしょう。


  にんげんはどこへいくのでしょう。



  わたしたちはなにをするんでしょう。



  神はアダムとイヴが好きでした。




  イヴはアダムが好きでした。






  



  アダムは………、



  











  アダムはイヴのことを好きになったのでしょうか。 











                        
  作者あとがき



  いかがでしたでしょうか。


  「流刑地ひとものがたり」
  

  前回の二次創作小説ルパン三世外伝


  「未来タクシーでやってきた!?大泥棒と一枚の名画」


  に引き続き、大塚愛さんのに触発されて書き上げた作品




  かと思いきや、なんと、この作品は頭のなかに


  のことはまったく意識しない状態で書き上げました。



  しかし、作品の原型を書き終えてウォークマンを聴いていたら


  (その時、ウォークマンをシャッフル設定にしていたので)


  偶然、この曲が流れてきて、の最後の一言に感動してしまいました。



  大塚愛さんの「人形」という



  悲しい境遇の女の人たちをうたったものです。



  あまりに、このお話にぴったりくる曲だったので


  エンディングイメージソングとして曲名をあげさせてもらいました。



  みなさんのお手元にこの曲があったら是非、このお話を読み終えたあとに


  この曲を聴いてみてください。多分、私のように感動すると思います。



LOVE LETTER というCDアルバム作品に入っていると思います。




  それから、この作品を原作にした漫画作品もあるようなのですが………


  神様セイクリッドだったっけかな?


  あの漫画の作者のいっていたこと本当なんでしょうか?


  当時、漫画を読んでいた時は、私の名前と同姓同名の人が原作者なのだろう


  と、思っていました。憶えている人、いますか?


  そうです。私は石川幸博といいます。



  前回のルパン三世外伝のあとがきにも書いたように


  私の好きな人は愛さんです。


  愛さんとデートしたいです。そしてアダムとイヴのように……


  なんちって。







  最後に



  ここで、裏設定を公開、アダムはイエス・キリストその人だ!


  そして、アナキン・スカイウォーカーでもある!


  アダムはいがいと長生きしてますね(笑)



  それを踏まえたうえでもう一度読むと面白いかもよ。



  でも、私、スター・ウォーズシリーズいまだに一作品も観てません(笑)



  では、みなさん。今日のところはさようなら。

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