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いつかの悪魔の物語

俺は悪魔だ。




訳あって世界樹の実を手に入れなければならない。



世界樹は生命の樹の中でも、一番最初に芽吹いた樹で





この世界がはじまった時から、世界の真ん中に生えていた。





いつからか、その樹の下にエルフ達が住みはじめた。




恐ろしく長生きで、美しく、魔法も使える奴等だ。



木々の緑を愛し、その色の服を着ている。



そいつら、エルフどもの目を盗んで、



世界樹の実をくすねるのは骨が折れそうな仕事だ。







まず、俺は魔法でエルフの姿に変わった。




世界樹の木のふもとにある村へ向かう。




エルフの門番に旅の者だ、とエルフ語でつげると



持ち物検査もなしに村の中に入れた。首尾は上々だ。




世界樹の太い幹が見える方向へ村の中を急ぐ。




世界樹のふもとにたどり着くと、



そこには見張りも何も、エルフはいなかった。





浮遊の魔法で世界樹の枝の間を、



実がなっていないか探しながら飛んでいく。




世界樹の花は、既に落ちてしまっていて



そのあとに実がなってるはずだ。




できれば、ふたなりの実がよいのだが………。




いくら探しても、ふたなりの実はなかった。



しかたなく、普通の実を持って帰ることにした。




世界樹の実をもぎ取ると、用意してあったカバンにいれた。





来た道を急ぎ足で引き返す。





村の入り口まで戻ると、門番が声をかけてきた。




「旅の者よ、この村の見学はもう済んだのか?



 ずいぶんとはやく戻ってきたようだが。」





「ああ、世界樹が見たかっただけだから、



 もうこの村に用はない。」






「そうか、それで、そのカバンに入っているのは



 世界樹の実の様だが?」





まずい!透視の魔法だ!



門番ならそれくらいするだろうと気がつかなかった!




「こ、これは………」




俺が返事に困っていると、



門番は意外なことを言ったのだった。




「おぬしの村に持ってかえって植えるのだな。



 遠慮せずに持ってかえってくれて結構。」




「あ、ああ、ありがとう。」





俺は何のとがめもなく村を出たのだった。





もし、俺が悪魔だとわかったら、奴等、どうしていただろう?




そんな、いらぬ心配をしながら



俺は自分の住処にもどった。




俺は持ち帰った世界樹の実を、あるところに植えた。









世界樹の実は、やがて芽吹き、若木となり花を咲かせた。




そして秋になると、実を結んだ。




その実の中に、ふたなりの実を見つけて



俺と、俺の恋人は、とても喜んだ。






俺達は、ふたつくっついた実を分け合って食べた。




やがて俺たちは不思議な気持ちになり、






抱き合ったのだった。



そう。俺たちふたりの悪魔は、




新しい命をつくりたかったのだ。




気前良く、世界樹の実をわけてくれたエルフの奴等、




俺達、悪魔が子どもをつくれるようになったと知ったら



悔しがるだろうな(笑)







THE END













作者あとがき            五㊨衛門


この話は「流刑地ひとものがたり」の外伝です


読んでない人は、そっちも読んでね。


この物語の主人公は、風の悪魔か、風の悪魔の祖先か


どっちでしょうか。



この物語の舞台は、もちろん惑星エデンですよ。

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