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アイというもの。





アイ。




その瞳は、黒く大きく。





その心はまさに慈愛に満ちていた。





彼女のことは誰もが好きになってしまうだろう。





悪魔たちはアイを求めてあらそった。




あらそいのキライな彼女の見ていないところで




おたがいを蹴落としあった。





悪魔たちのそんなおこないを



知ってか知らずか、彼女は



悪魔がきらいだった。






悪魔たちにはアイがなんなのか



わかっていなかった。




ただただ、アイがほしくてほしくてたまらなかった。





すると、




アイがほしければ



自分もアイをあたえなさい。




そう神がおっしゃった。







悪魔たちにはアイがわからない。






ある悪魔は、考えた。






アイをあたえるにはどうすればいい?





アイをつくった、アダムとイヴのことばを



思い出した。






ひとのココロは悲しみに満ちている。




だからやさしさにふれたら笑顔になれるんだ。と





それこそがアイだ。





やさしさのことを知った悪魔は



やさしくすることにした。





すると彼は、笑顔になれた。



悪魔は悲しみは充分知っていた。




足りなかったのは



やさしさだったのだ。







アイに目覚めた悪魔。






そのココロはかるくなったという。





彼女のココロは悲しみと



やさしさに満ちていた。





それこそがアイだった。





天使とアイの歌









今ではもう失われてしまった、ここから遥か遠い時間、


遥か遠いその星には大勢の悪魔たちが住んでいました。


悪魔たちはお互いを信じたり、信じなかったり、


好きになったり、嫌いになったり、働いたり、働かなかったり、


今の私たちと同じように暮らしていました。



まだ、その星の悪魔たちの歴史も始まったばかりのころ。


悪魔たちの記録のなかでは、


初めてその星に風が吹いた日の夜。





天使がひとり、大きな樹の下に舞い降りたのです。


天使は、この星に住む悪魔たちの姿とまるで違う、


とても美しい姿をしていました。


そして、その天使を見たひとりの悪魔が、


天使を好きになってしまったのでした。




悪魔たちはお互いのことを好きになったり


嫌いになったりはしましたが、


恋や愛というものは知りませんでした。


しかし、その悪魔は美しい天使に恋してしまったのです。




でも、天使のほうは醜い悪魔を好きになるはずがありません。




何日も思い悩んだすえに


「あなたのことが好きだ。」


と告白した悪魔に天使は冷たく言いました。




「あなたのような醜いモノは見るのも嫌だ。」


残酷な天使の言葉は悪魔を深く傷つけました。




悪魔のココロは傷つきやすいのです。



その悪魔は天使のことが本当に好きでした。


だから、自分の醜い姿を呪いました。


天使のような美しいモノには、


やはり、美しいモノが相応しいのだろうか。


純粋なココロの悪魔は悩みました。



私は醜い。私は醜い。私は醜い。私は醜い。



そう、自分を呪っているうちに、


悪魔のココロは壊れてしまいました。


大きな樹に満開に咲き誇る薄紅の花の下、


悪魔は自らの命を絶ってしまったのです。




冷たいココロの天使はそれを知っても


を流すこともありませんでした。


命を絶った悪魔は、純粋なココロの持ち主だったと


仲間の悪魔たちから、ただただ、笑われただけでした。




神は、ただただ、それを見ているだけでした。


神は、ただただ、見ているだけでした。




美しい天使はココロが冷たくも流さなかったのですが、


それでも悪魔を笑うことはしなかったのでした。




風の悪魔もまた、その悪魔を憐れんだモノのひとりでした。




風の悪魔は、叶わぬ想いに命を絶った


純粋な悪魔の魂をその大樹に宿らせ、


その大樹に新しい命をつくりだす力を与えたのです。


悪魔たちは子供をつくることを知りませんでした。


悪魔は愛を知らなかったため、


新しい命をつくることができなかったのです。




風の悪魔はこの純粋な悪魔のしたことを恋と名付け、


その気持ちを愛と名付け、恋のその先で愛し合ったふたりが


その大樹の実を食べて、男女の力をあわせれば女性の体に


新しい命が授かるようにしたのです。




そのころ、この星でアダムとイヴという


人間の男女が暮らし始めました。


アダムとイヴは風の悪魔のおかげで恋を知り、


ふたりは結ばれたのですが、このふたりの物語は


また別の機会にでも詳しくお話しましょうか。





やがて何度目かの春が来てアダムとイヴの子供が生まれました。


ふたりは子供に”ミライ”と”アイ”と名付けました。




ミライとアイはとても元気で大きな病気も特になく大きくなりました。



ある日、成人したミライがいつものように大きな樹の下で休んでいると、


そこに天使が舞い降りてきました。



天使を初めて見たミライはその美しさに、


すっかり心を奪われてしまいました。



ミライは天使に話しかけました。


「あなたは何モノなのですか?どこから来たのですか?」


天使は答えました。


「私は天にある黄金の月から飛んできた天使です。


名前はテミといいます。あなたの名前は何というの?」


「私はアダムとイヴの子供のミライです。」


「では、あなたは人の子なの?。」


「そうです。私たちの家族以外にこの星に人間はいません。」


「それで、あなたは寂しくはないの?」


「とても寂しいです。私は友達が欲しい。」


「じゃあ、私が時々ここへ来て話相手になってあげる。」


「本当に!?ありがとう。テミ。」




次の日からミライはその大樹の下へ通い詰めるようになりました。


テミは約束通り時々飛んできて話相手をしてくれました。




そしてやがて、ふたりは恋に落ちたのです。




ミライとテミはアダムに結婚の許しを請いました。


アダムは自分の子供たちは悪魔と結婚させるしかないだろうと


思っていたので、とても喜びました。




しかし、ひとつ心配なことがありました。


ふたりが結婚したら、ちゃんと子供が授かるだろうかということです。


人間と天使の間で子供ができるかどうか、わからなかったのです。


そこでアダムは風の悪魔に問いかけました。




風の悪魔よ。


ミライとテミに健康な赤ちゃんを授けてもらえないだろうか?





風の悪魔は一陣の風と共に、いつもの蛇の姿で


”命の大樹”の下に現れて言いました。


「ふたりに子供を授けるにはこの”命の大樹”の助けが必要だ。


しかし、それにはテミが”命の大樹”となった悪魔に


許してもらわなければならない。」




そして風の悪魔は、昔、天使テミに恋した悪魔がいたこと。


その悪魔はテミの冷たい言葉に傷ついて恋に破れ、


命を絶ってしまったこと。


それを憐れんだ風の悪魔が、テミに恋した悪魔の魂を


”命の大樹”に宿らせて、命をつくる役目を与えたことを


アダムに語ったのでした。




アダムは風の悪魔の言葉をミライとテミに告げました。



ミライとテミは、どうすれば”命の大樹”となった悪魔に


許してもらえるのか、いくら考えてもわかりませんでした。



困っている様子のミライとテミのために


ミライの双子の妹アイは考えました。



そうだ。悪魔と同じくらい古くからいるエルフ族の長老なら、


何かわかるかもしれない。 


そこで、アイはミライとテミとともにエルフの村を訪ねました。

三人の話を聞いたエルフの長老は

「テミがその悪魔のために流したを”命の大樹に”捧げればよいだろう。」

と教えてくれました。

しかし、それを聞いたテミは

「私があの醜い悪魔のためにを流すことなどない。」

と、否定したのでした。



アイは美しい天使テミが冷たいココロも

持ち合わせていることに驚きました。


三人はそれ以上の成果もないまま”命の大樹”の下にもどってきました。



落ち込んだ様子のミライとテミを見たアダムとイヴは、

取りあえず、ミライとテミの結婚式の宴を開いて

二人を元気づけることにしました。




たくさんの、ごちそうを用意して”命の大樹”の下で

宴が始まりました。

そこで、妹のアイは二人のためにいました。

この土地に昔から伝わる古いです。

そのはミライとアイが子守がわりにイヴにってもらった歌でした。
 


私は想う

あなたの美しさを

あなたの清らかさを

あなたの瞳を

あなたの心を

あなたへの想いを私は歌う

あなたへの想いは 光となり

永遠にこの星を巡る




あなたへの想いは

つぼみとなり

花となり

実となり

種となり

永遠に年月を巡る

あなたの幸せを私は願う


あなたは 花 となり

私は 種 となる

つぼみが 生まれ


また 実となろう


この星の片隅から真ん中まで


花で 満たそう

花で 満たそう





初めて聴いたアイの歌の素晴らしさに

冷たいココロのはずのテミの瞳から思わずがこぼれました。


そして、そのの雫が”命の大樹”の根元に落ちました。

すると”命の大樹”が大きく震え、その上に大きな虹が架かりました。

突然現れた虹に皆が驚いて見ていた時でした。

”命の大樹”の枝に大きなつぼみが生まれ、

そこから薄紅の花が一輪咲いたかと思うと、

あっというまに花が散り、ふたなりの実がなったのです。



そして突然風が吹いたかと思うと、

風の悪魔がいつもの蛇の姿で現れました。


「さあ、ミライとテミよ。この実をわけあってたべよ。

そうすれば二人のあいだに子が授かるだろう。」




テミは驚いて言いました。


「でも、どうして私は許してもらえたのですか?」


風の悪魔は言いました。


「その歌は昔、君に恋した悪魔がつくった歌だったのだよ。」




こうしてアイの歌のおかげでミライとテミは結ばれました。

テミはもう家族にも他人にも冷たい言葉を

かけることはしなくなったということです。

そして、テミはあのアイの歌を、その後に生まれた自分の

子供たちにも歌って聴かせてあげたということです。




やがて その星は その歌のごとく


天使と人の子で満たされていったのでした。


そして 最後には 悪魔でさえ


愛を知ったのだと 言い伝えられています。





                                                         THE  END



エンディング・イメージソング

家入レオ 「a boy」より ”カーニバル”







あとがき

前々から人が感動するものをつくりたいなあと

思いながら創作をつづけています。

いかがでしたか、泣ける話になっていたでしょうか?

エンディング・イメージソングですが、

最近は大塚愛さんよりも家入レオさんにハマっています。

いい曲なのでぜひ、聴いてみてください。


本当なら、クリックしたら聴けるようにしたいけど

やり方がわかりません。残念です。

できれば買ってあげてね。


では、また。さようなら。



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