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Rainy Yesterday





昨日のことは もう忘れた。




明日のことは わからない。








あのころの 僕たちは 


そんな毎日を 一生懸命 生きていた。














となりの席のあのコは 勉強がぜんぜんできなかった。




テストが返ってきて見せあいっこをする、と



彼女は100点満点中 7点 しかとれないこともあった。




あのコは 昨日のことも すぐ 忘れてしまう。





どうしたらいい?




という問いに 僕は



手帳に大事なことを メモしておいたら。



と教えた。





それから 彼女は 何かあると



こそこそと 手帳を開くようになった。






学校生活は 毎日 せわしなく 過ぎた。







僕は 陸上部の練習が朝と夕、キツくて


給食のあとの授業は とても眠くなった。




授業中 寝てしまった時。


先生が僕を当てると 彼女は


先生の質問を こそっと教えてくれた。



そういう時 普通の女の子は


気をきかせて 質問の答え 

そのものをこっそり教えるものだが



彼女の場合、 質問の答えが わからないので


質問 そのものを 繰り返し 僕に こそっと教えた。






僕は しどろもどろになったが


何回も 何回も 答えを やり直されて


何とか 答えることができた。




そのおかげで 僕は何とか怒られずにすんだ。









放課後 いつも 陸上部の 僕は 



グラウンドを 繰り返し 繰り返し 



走りまわっていた。







彼女は テニス部だった。




吹奏楽部もカケモチしていたようだ。




グラウンドを何周も 走るのが 吹奏楽部の練習だった。


肺活量をつけるためだったのだろう。




毎日、毎日 走り続けて 


あのコは まっ黒に日焼けした。




僕も 走りながら 彼女の 姿を


何となしに 遠くから目で 追っていた。















ある時、あのコは 訊いてきた。


「ねえ、大きくなったら 何になる?」



「え。 まだ、決めてないよ。

 キミは何になるの?」



「わたし バカだもん。


 何もなれないよ。」


と 彼女は 悲しげに答えて うつむいた。



「何か好きなこととか 得意なこととかないの?」



「音楽は好き だけど……。」





「じゃあさ、 歌手になればいいじゃん!


 みんなの前で 歌を歌って!」




と 僕が言うと あのコは


自信がなさげに うつむいたまま




「うん……。」


と小さくうなずいた。







あのコも僕も 背が低かった。



学校では いつも 背丈の低い順で並ぶので


彼女と僕は 授業中だけでなく


学校行事の時も となりどうしだった。




校長先生の話が長くなると


僕は また ねむくなった。




立ったまま ねむってしまいそうになった。







すると あのコは 僕の 背中を


バンッ!   と叩いた。




僕は ビックリして 飛び起きた。




まわりの みんなは 笑っていた。









中学生の 僕は やたら ねむかった。




その日もまた 授業中に ねむっているときに


のびをした手が となりの彼女に当たった。




あのコは 僕が 胸を触った と言って怒った。



僕は触ってない と言ったが 彼女は譲らないので


結局 僕が あやまった。




いま 思えば 僕の手が あのコの胸に当たっていたかもしれない。






そんな僕は あのコを 特別な存在とは


思っていなかった。






でも 彼女は ちがったようだ。






「ねえ、わたし あんたのことが

 好きなんだけど  あんたは どう?」


と ある時、何の前触れもなしに いきなり 言ってきた。






僕は 一瞬、驚いて それでもすぐに



「うーん。 僕も 好きだと 思うよ。」



と答えたが、








それからも 僕らの 毎日は


特に なんの ヘンテツもなかった。







そんな 僕に 業を煮やしたのか



あのコは、 僕と 手をつなぎたい。


と言って 僕の手を握ってきた。





中学生の僕は 恥ずかしいのと


やはり 彼女のことが 好きだったのか


感じやすい年頃で


あそこが 勃起してしまった。





それを見た クラスの女の子の ひとりが


「わっ!立ってるっ!」


と叫んだので



僕は 恥ずかしくて 手を振りほどいて


走り去った。




あのコは それからずっと 黙っていた。









そのまま 席替えになり


席も となりでは なくなった。







それからしばらくして



あのコは また


手をつなぎたい と言ってきた。





僕は 手を つないだ。



すると 今度は 


わたしの ポケットに 手を入れてほしい。


と言ってきた。




そんなことをしたら


また 勃起してしまう。





僕は イヤだ! と拒んだ。



彼女は 顔を 赤くして 


手を ぎゅっと 握ったまま離さなかった。





僕は 手を離してよ。と何度も言ったが



彼女は 手を 離さなかった。




僕は ついに キレて


「離せーーーーーーっ!」


と叫んで 手を 振りほどいて 走り去ってしまった。





そのことがあってから 


あのコとは 口もきかなくなってしまった。





そして、そのまま 一年が過ぎ


クラス替えで クラスも別々になった。







そんなことがあったことも 忘れかけていたころ。





その日は 雨がふっていた。



傘を広げて帰ろうとしたとき


昇降口で あのコは立っていた。



傘を忘れたのか、雨空を じっと見つめている。




カラスが 一羽 ちょこちょこと


雨の中、 地面を飛び跳ねていた。






僕は 傘を 差しだして あのコにわたすと


自分は 雨の中を 走り去った。







その時、あのコは どんな気持ちだったのだろう。



と、今になって 思い返す。







あのコ と僕の話は これで終わりだ。





特別な 何かがあったわけでもないが


特別じゃなかったわけでもない。









あのころの 僕たちは 特別な日々を過ごしていたんだ。と



おじさんになった 僕は思うのだ。









ここで

THE “BESTEST” BENNIE K SHOW より

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