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ある統合失調症患者の記憶

みなが口をそろえて、それはお前の妄想だと言う。




確かに、統合失調症の症状の一つに


恋愛妄想というのがある。


自分は誰々と恋愛中であると信じてしまう妄想症状である。




私は、実際に体験し、経験したことと思っているのだが、

それ自体が脳の錯覚によって実際にはおきていないことを

体験したと思い込んでいる可能性も

完全には否定できない。


だって、私は統合失調症なのだから。






だから、私が本当に経験した事実だということを

信じてもらうために、なるべく克明に述べてみたいと思った。



私の記憶が、この恐ろしい病気で壊れてしまう前に、

私のなかに残っている

Mさんとの思い出を、今、ここに記しておこうと思う。




ただ、病気による記憶障害や、もう昔のことなので


上手に思い出せない部分があるが、その点は勘弁してほしい。









最初に彼女に会ったのは、多分、小学6年生の時。


小学生たちが帰宅するのに、家が近くの子供たちはグループを

つくって、集団で帰ることになった。



そこで、私は”明和町”の子供たちが集まるグループになった。


小学校の校庭で下校前に

明和町の子供たちが並んでいる列の後ろのほうで、

初めてその女の子と話したのだ。




女の子がなんと言ったかはおぼえていないのだが、

私は、その女の子に


「これから、帰るときは、ずっと一緒だよ。」

と言ったのをおぼえている。



その小学校では、生徒たちは体操着の背中に

自分の学年と学級と苗字を書いたゼッケンをつけることになっていた。



女の子の背中には”3  M”と書かれていた。

(※Mは女の子の苗字)


私は”3年生のM”さんという女の子だと思ったのだが、

今思い返せば、それは”3組のM”だったのかもしれない。




Mさんは、当時の私より頭一つ分くらい背が低かった。

だから、3年生だと勘違いしていたのだ。




小学生だった私は、少し人見知りなところがあったが

今とくらべたら、ずいぶん人付き合いがうまかったのか

その女の子とすぐ仲良くなった。



私は集団下校グループの副班長だったので、

いつも子供たちの列の最後尾を歩いていた。



6年生の班長が列の最前列、副班長が最後尾を歩いて

下級生などが、はぐれてしまったりしないように見ていたのだ。


Mさんはいつも列の最後尾の一つ前を歩いていた。


だから毎日、帰るときはMさんとおしゃべりしながら歩いていた。



彼女は、元気で、よくしゃべる明るい子だった。





私は彼女にって聴かせたことがあった。


テレビで見た、山口百恵の”プレイバックパート2”である。


「緑の中を走りぬけていく、真っ赤なポルシェ」

というのフレーズを彼女にせがまれて、何度も何度も

繰り返して同じ部分ばかりったのだった。





ある時、彼女は私に夢を語った。


「私ねえ。手になるんだ。それで女優にもなって

映画にも出るんだ。そのあと宇宙飛行士になって宇宙へ行くの。

あなたの夢はなに?」



手になりたいんだ。じゃあピアノかギターが弾けるといいね。


僕の夢は何だろう。


綺麗なお嫁さんをもらって結婚することかなぁ。」





他にも毎日、いろいろ話したはずなのだが

私はそれくらいしかおぼえていない。




そんなある日、彼女はなぜだか全然、話しかけてこなかった。





その日、先頭を歩いていた班長は

帰り道の途中、前山町にある前山会館という施設の

中庭を通り抜けていく道を選んだ。


そこは、子供が遊ぶための遊具が設置されていて、

小さな公園みたいになっていた。


その時、私は、彼女に何か話そうと思って昨日見たドラマを思い出した。

「あのね。悲しみはいつだって愛情の近くにひそんでいじわるするよ。」


ドラマの中のセリフをそのまま語ったのだ。



Mさんはそれをきいても黙ったままだった。




その日は、それきり二人とも、黙ったままだった。

こんなことは全く初めてのことだ。





彼女の家の近くまで来ると、彼女は無言のまま走り出した。


手を顔の頬にあてていた。

私は、それがをぬぐっているのだと気づき、



は見せないで!」

と思わず叫んでしまった。



Mさんは顔を隠すようにして、さよならの意味で手を振った。

私も無言のまま手を振って、そのままMさんと別れた。





そしてその次の日から、Mさんは学校に来ていなかった。




何日かあとで私の父が、

「Mさんとこ引っ越したらしいな。」

と言ったのでその時、私は初めてそのことを知ったのだった。





最近、小学校からの幼馴染の友達に、

このことを話してみたのだが

Mさんのことをまるでおぼえていなかった。


Mさんと一緒に帰るようになって一週間ほどで

彼女が転校してしまったため、おぼえていなかったとしても

不思議ではないのだが、

もしかしたら、そんな女の子は、はじめからいなくて

全部、私の妄想だったのではないかという考え方もできる。



統合失調症というのは、

そういうことがおこりうる可能性のある

精神疾患なのだ。



だから、ほとんどの人が、私の話を妄想だと笑い飛ばす。






Mさんのことが妄想だと思われてしまうのには

ちゃんと理由がある。そのことはもっと先に読み進めていけばわかる。

最後までこの話をきいた時、

あなたは私をただの、あたまのイカレたやつだと思うだろうか。









やがて時は過ぎ、私は高校生になっていた。

高校生の私は柔道部に所属していたのだが

練習で腰をいためてしまい、部活を辞めていた。





ある日、授業が全て終わり、帰りの学級会も終わって

クラスの生徒たちは教室を出ていった。


その日、家に帰りたくなかった私は教室の椅子に座ったまま

他の生徒が帰って行くのを見ていた。



すると他の生徒がみんな帰ってしまったのだが

同級生の女生徒ひとりが、

私と同じように椅子に座ったまま残っていた。







それは同じクラスのMさんだった。

Mさんとは2年生になって初めて同じクラスになって

何か月かたっていたが、それまで、話したこともなかったと思う。



彼女は背が低くて、色が白くて、猫のように少しつり目の美人だった。

たしかバトミントン部だったと思ったが、

彼女も部活を辞めていたようだった。



後に、クラスメイトの男子に、このクラスで一番かわいいのは誰?

ときかれたときに、私はMさんだと思うと答えている。




高校生の私は

小学生のころ、わずか一週間ほどしか一緒にいなかった

あのMさんのことは完全に頭から消えていた。



Mというのはわりとよくある苗字なので

私は、あのMさんと

高校で同じクラスになったMさんが、まさか同じ人だとは

全く気付かないでいた。


私の石川というのもわりとよくある苗字だが

彼女は私のことを気づいていたのだろうか?




それとも、そのことも全部、私の病気のせいでおこった

妄想によるつくられた記憶なのだろうか。



とにかく、私の記憶だと私とMさんは、その日、

二人だけの教室でいろいろと話した。




私は大学へ進学を希望しているということ。

彼女もまた大学へ行きたいと思っていること。

私は地球環境に貢献できるような仕事がしたいので

そういう学部に行きたいということ。

そういえばもうすぐテストが近いね。とか



私はMさんとは初めて話したと思っていたのだが

今、振り返るとその時、

二人は、まるで仲の良い友達か恋人だかのように

親しく会話していた。




ふと、会話が止まり、私は話題を探して

「Mさんは何か好きな歌ある?」

と質問した。


「とくにないなあ。石川君は?

何か好きな歌ある?」


とMさんがきき返してきた。



私はとっさに、当時、流行していたKANの”愛は勝つ”を思い出し

「愛は勝つかなぁ。今、流行ってるじゃん。」

と答えた。


「知らないなぁ。どんな歌?」


「え。……。

かーなーらーずぅ、最後に愛は勝つぅぅぅー♪

って知らない?」




「知らない。」

そう言って、Mさんは笑った。

同時に私も笑っていた。



話しているうちにやがて日が暮れてきたので、暗くなってしまう前に

二人はそれぞれの家路についたのだった。






次の日、私は昨日のことが忘れられず、また

教室に居残っていた。



するとMさんも教室に残ってまた二人きりになった。



その日もいろいろと話した。


「ねえ。私、幽霊とかお化けが怖いんだけど。

怖いものってどうしたらなくなるんだろ?」


「怖いものなんてなくならないと思うよ。

もし怖くなくなっても、また別の怖いものが出てくるだろうし。」



二人は教室を出て靴に履き替え

高校の敷地内で夕日をながめていた。



ふとMさんが、私の鞄を握っている手にふれてきた。

私は、

「なに?どうしたの?」

と手をはらいのけた。



今、思えば、彼女は私のことを恋人のように思い、

手をつなぎたかったのだろうとわかるが

当時の私は、そういうことが全くわからず

なんで手をさわってくるんだろうと思っただけだった。



彼女の気持ちをまるでわかっていなかった私は

受験のことを話題にあげ

「季節がかわれば、いつまでもこうしちゃいられないよね。」

と彼女に告げ、次の日からは普通に帰るようになった。




Mさんは、クラスの中で、

特別に仲の良い女の子の友達はいないみたいで

いつも一人でいることが多かった。





Mさんが他の女生徒と話していたのを

1,2度だけ見たことがある。

それはTさんという女の子で、

Mさんと同じくらい綺麗な子だった。


TさんはMさんと違って、背が高かった。



雨がふっていたときにTさんが傘を持っていなくて

その時、私が持っていた傘に入れてあげた思い出がある。



話がそれてしまった。



Mさんとの思い出を話すんだった。



ある時、教室でMさんが窓の外をじっとながめていた。

何を見ているんだろうと思い、

私もそちらを見てみたが外には別に何もない。



「何、見てんの?」



「あれ!虹!」


「え?どこ?」


「あそこ!」


Mさんが指さした方向を、じっと見たら

遥か彼方に、かなり小さな虹があった。


「あぁ、あれか。」


二人は休み時間が終わるまで虹を見ていた。





Mさんは目がいいのか、遠くのものがよく見えた。




掃除の時間だったか、


Mさんが中庭で手を振っている。


「何、手振ってんの?」


「先輩!」


「え?」


「野球部のK先輩!」


Mさんは、まだ手を振っている。



遠くの人影が手をあげた。



野球部の控えのエースだった人だ。




Mさんとの高校での思い出は

数えるほどしか思い出せなかった。





私たちの高校は2年生の時に

修学旅行に行くことになっていた。


修学旅行は広島へ行った。




その夜に宿泊施設の近くの海岸で

先生たちが打ち上げ花火をして

生徒たちに見せてくれることになっていた。



私は集合時間より20分も早く海岸へ向かった。



海岸にはMさんが先にいて一人で座っていた。


まだ時間が早かったので、私とMさんの二人きりだった。


Mさんに近づいていくと地面に何か文字が書いてある。


私は、

「何て書いてあるの?」

と、ききながら近づいていったのだが

Mさんは何も言わず、その文字をかき消してしまった。


何か怒ってるのかな?と思ったが、

Mさんが、

「ねえ、その時計見せて?」

と頼んできたので

私は腕から時計を外してMさんにわたした。


Mさんは時計を熱心に裏返したり、

正面にしたりして、ながめていた。


やがて、他の生徒たちが集まってきた。

Mさんは時計を返してくれた。



その夜の花火はとても、きれいだった。

私はMさんに話しかけたが、

花火の音がうるさくて、きこえていなかっただろう。





高校3年生になるとMさんとはクラスが別々になった。



そのころは、男子の友達T君と一緒に自転車で帰るのが日課だった。

T君のクラスに行くと、Mさんのクラスの前を通る。


Mさんとは、話すこともなかったが

私はよく廊下からMさんを見ていた。


クラスが違うだけで、こんなにも遠く感じるものなのか。





そして、そのまま高校を卒業してしまったのだった。





その後、私は

大学1年生の時、統合失調症を発症してしまうのだ。




夏休みが終わったあたりから、頭がぼーっとして

脳みそに膜がはったかのように感じて、眠れなくなった。


大学の授業も休みがちになってしまった。



そして、ある日、突然、発狂してしまったのだ。





夜中にさまよい、明け方に下宿にもどると

大事にしていた本を燃やしてしまい、

大学の定期テストも、ほっぽりだしてそのまま電車に乗った。




そこから、記憶がとぎれとぎれになり、実家にたどり着くと、

両親は私が、おかしいのを感じたのだろう。

父は会社に明日休むと電話をかけていた。



私は暗くなっているなか、家を飛び出し、また

夜中、街をさまよっていた。



コンビニエンスストアで叫び声をあげ、

店員に注意されていたところを警察に保護された。




父が警察署まで迎えに来て、家まで車で帰った。



次の日、近所のトヨタ記念病院の心療内科で、

診察を受けたようなのだが、まるでおぼえていない。


そのまま、猿投の仁大病院という精神科の専門の病院へ

連れていかれた。


そこで、院長の診察を受け、ただちに入院が決まったようなのだ。

私はその時の記憶が全くなく、

入院の書類に署名もできない状態だったため

恐らくは、強制入院だったのではないかと思う。




そして保護観察室という、個室に入るのだが

そこは6畳ほどの広さに布団が敷いてあり

便器が備え付けてあるという、まるきり

牢屋のようなところだった。



観察室内には本や筆記用具なども

許可がなくては持ち込めず、

看護師が外から鍵をかけて、

扉の開け閉めを行う。




私は薬を飲むのを拒否したが無理やり飲まされた。


初めのうちは薬の副作用で気持ち悪くなったりした。




気が狂うというのは、どんな状態か

みなさんは興味があるだろう。



その時、本人は、興奮状態にあって

正しい判断が出来ないのだ。




何故だかはわからないが、

無茶苦茶なことが当たり前のように思えて、

奇妙な振る舞いをするのが正しいような気がするのだ。



統合失調症になると

脳内のドーパミンという情報伝達物質が

過剰に反応し、幻覚や、妄想を引き起こす。


聞こえるはずのない言葉が聞こえてきたり、

あり得ないことを信じてしまったりする。





薬は、ドーパミンの伝達を阻害することによって

症状を抑えるため、薬が効きすぎると

本来の正しい情報伝達も少なくなってしまう。



それに加えて、病気により脳にダメージが加わるらしく、

眠気や記憶の障害、脳を使うあらゆる能力の低下などが起きてくるのだ。




この病気になると、あまりにも多くのものを失ってしまう。


多くの人が社会に適応できなくなり、何年も無駄にしてしまう。





その後、なんとか病院を退院した後も、

統合失調症の消耗期の陰性症状に悩まされることになった。



無気力になり疲労感が強く、すぐ疲れてしまう。

睡眠時間も長くなり、引きこもりのようになった。




病気になってから、もう10年近くも経っていた。



消耗期から、徐々に回復期に移り、

ディケアセンターに通いながら、アルバイト程度なら

できるようになっていった。



そのころは、ガソリンスタンドでアルバイトをしていた。

アルバイトで得た収入で、中古の軽自動車を買ったりもした。


やっと、少しは、まともな日常が訪れたと思って、

自分に自信を取り戻しつつあったころ。





そのころ、ファイナルファンタジーXIというオンラインゲームの

サービスが開始された。


私はゲームを買いそびれて、サービス開始から一カ月ほど

遅れてゲームをはじめた。



ファイナルファンタジーXIには プレイオンラインチャットという

無料で提供されていたサービスがあった。



チャットというのはいまでいうLINEみたいに文字で会話する

ものだが、LINEとは違い、まさに本当の会話と同じく

リアルタイムでその場で行うものだ。




私はプレイオンラインチャットで”五㊨衛門”と名乗り、

いろいろな人たちと会話していた。



そのなかに komati という女の子がいた。


komati というのは小野小町からとったんだと彼女は言っていた。



komati と具体的にどういう会話をしたのかは

そのころ、アルバイトも忙しかったため、よくおぼえていない。



ただ、毎日会話していくうちに、だんだんと仲良くなっていった。




その日、komati の様子がなんとなくおかしかった。


komati は自分の彼氏がバイク事故で亡くなったと私に告げた。


何度も、私も死にたい。という komati に対して

私も何度も、死ぬな、死ぬな、と文字を打ち込んだのをおぼえている。


生きていれば、きっといいことがある。

それは今ではないけど、そのうち、きっといいことがある。

だから、死ぬな!生きろ!



それは、自分のことでもあった。



それからしばらく komati は、眠れないの。と言っていた。

精神科の看護師から3日以上眠れない時は

睡眠薬を飲んででも眠らなきゃダメだと言われたことを思い出した。



komati に睡眠薬の使い方を教えた。

私も主治医に、眠れない時は飲むようにと睡眠薬を

処方されていた。その知識が役に立った。





やがて、少しずつ、komati は元気を取り戻したようだった。







ある時、komati と私とミサキという女の子が一緒になった。

3人は私が”五右衛門風呂”と名付けたチャットルームの常連だった。


そのため3人は、とても仲が良く、

お互いの顔写真を交換しようじゃないか。ということになった。


私は写メをとり二人に送った。

二人からも写メが送られてきた。



ミサキは少女で可愛かった。

komati は大人の女性で美しかった。彼女は女子大生くらいに見えた。



写メは見たらすぐ削除するという約束だったので

私はすぐにそれを削除した。



だから私は気づかなかった。

ある重大なことに。






だが、komati は気づいたのだろう。



それからしばらくの後、

komati は私のことが好きだ。と告白した。




この時、私は気づいていなかったのだが、

実は komati はMさんだったのだ。




私はそんな komati に対して、大塚愛が好きだ。

と言ってしまった。



そんなバカな私に対して、 komati は

その後も普通に接してくれていた。







そして
9月13日が来た。

その日は私の誕生日だった。

komati はその日、チャットルーム”五右衛門風呂”に来て

誕生日おめでとう。と言ってくれた。

ロウソクの火を消して。という彼女に

私は、顔文字でロウソクの火を吹き消す様子を表した。


komati は誕生日プレゼントだと言って音声ファイルを送ってきた。

私はそれを聴こうとしたが、パソコンの設定が悪かったのか

とうとう音声は聴き取れなかった。



その後、どういう会話をしたかは忘れてしまった。






komati や他のプレイオンラインの仲間たちとの楽しい日々は続いた。

そこでは病気のことを考えなくて済んだ。







そしてその日、突然、 komati は歌手でデビューすることが決まったと言った。

歌手としての名前を考えてくれないか。と



私は少し驚いたが、しばらく考えてから



”YUI”と名付けた。

ゆきひろ いしかわ の頭をとって ”ゆい”

ファンのみんなと絆を結ぶという意味も込めた。

そしてビッグな歌手になれるように、全部大文字で

”YUI”にした。






そして、YUIは私の期待通り、大物歌手になったのである。






YUI の曲を聴いた私は、歌詞の内容から

YUIがMさんではないかと思いはじめる。

私とMさんとの思い出が

歌詞になっているように思えてならないのだ。






それに YUI の顔がMさんとそっくりなのだ。


この話をすると、ある女性は YUI くらいの美人なら

どこにでもいるよ。と言う。









YUI はMさんで、私の小学生の時の幼馴染なのである。

そして彼女は一週間で転校してしまい、

その後、高校の同級生として再会し

そしてまた別々の道を行き、

私は統合失調症という不治の病にかかり

回復の兆しをみせた時に

プレイオンラインチャットというネット上で

再び再会し、お互いの顔も名前も知らないまま

交流を深め、ついには彼女から告白され、

そして”YUI”という名前は私がつけたものなのだ。




私の話を聞いたものは、それはお前の妄想だろう、と言う。


あなたも、やはり、これが私の妄想だと思うだろうか。







だが、私のなかでの YUI との思い出は現実のものである。

と信じている。


だから、その証をここに記したいと思った。






YUI はとても美人だったが、ごく普通のひとだった。

私は、たしかにその手にふれた。



これが私の妄想でないことを願っている。

そして、できれば、この思い出が

恐ろしい病によって消えないで欲しいのだ。



彼女は遠視

高校の同級生だったMさん。



彼女は、とても目がいいのか、



遠くのモノがよく見えた。






ある日、高校の授業が終わり、トイレに行って



教室にもどってくると、Mさんが、


窓の外を、じーーーーーっと 見ていた。





「何?なに見てんの?」



「あれ!」



「え?なに?」



「あれ!虹!!」




外を見ても虹なんてかかっていない。



「え?どこ?」



「ほら!あそこ!!」



そういってMさんが指をさした。



「え?どこ?!」



「あそこ!!」



じーーーーっと目を細めてみたら、



その方角の、かなり遠くに小さく虹が、かかっているのが見えた。




あんな遠くて小さいのよく見つけたなぁ。と感心した。










また、別の日に、こんなことがあった。



学校の中庭で、Mさんが手を振っている。




ん?ひとりでなにしてんの?と思い、きいてみた。



「なんで手ふってんの?」



「先輩!!」




「え?」




「野球部の○○先輩!!」



Mさんの見ている方向に、遠くのほうで、人影が見えた。



こっちを見ているみたいだった。



顔なんて、全くわからなかった。







野球部の先輩も気が付いたのか、


その場で手をあげた。



Mさんは、まだ嬉しそうに手をふっていた。



たしか、野球部の控えのエースだった人だった。







Mさんは遠くのモノがよく見えた。

という思い出でした。



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